同じ露出で表現を変える【段】の考え方

よくネットでカメラのこと、特にレンズの事を調べてると「一段絞る」や「4段分の手ぶれ補正」などを見る事は無いでしょうか?

そしてこの「段」って何?ってはじめのうちは思うと思いますし、なんか小難しいと思っちゃうと思います。
実際私は1段?レベル?とかわけのわからないこと思ってました笑

今回はそんなよくわからない「段」についてお伝えしていければと思います。

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1段絞る、1段解放は絞り値のこと

よくレンズのレビューなどを見ていると、「1段絞ればシャープになる」的なこと目にすると思います。
この1段というのが絞り値(F値)のことなのですが、ここで覚えてほしいのは2つの数字です。
それが1と1.4の二つです。

1→2→4→8→16→32と1.4→2.8→5.6→11.2(11)→22

一部例外がありますが、すべて前の数字の2倍の数字なのです。
そしてそれぞれの倍数を組み合わせて、
1→1.4→2→2.8→4→5.6→8→11→16→・・・とF値を変えていくことを「1段絞る」、矢印を逆に向けると「1段解放」という意味なのです。

ただし、一眼レフカメラは通常1/3段ごと、もしくは1/2段ごとに細かく設定できると思います。
そんな時でもベースとなる数字さえわかれば、もう少し絞りたいときに「1/3段絞る」等ちょっと通な言い方ができるようになるのです笑

そして感のいい人はお気づきかと思いますが、「段」というのは明るさの表記なのです。

感度やシャッタースピードにも「段」がある

ということは当然ISO感度にも「段」があります。
通常ISO感度の下限は100から始まるものが多いと思います。(たまに50や200からのカメラもあります)
これもF値同様100→200→400→800→1600→3200・・・と倍数にしていくことで「1段分感度上げる」やその逆で「1段分感度下げる」なんて使い方ができます。

次にシャッタースピードですがこれも簡単、1/8000→1/4000→1/2000→1/1000→1/500・・・と続きます。

そして一番イメージしやすいのがこのシャッタースピードだと思います。
シャッターを開ける時間を2倍にすると、2倍光が取り込めるイメージは付きやすいと思います。
そうです、1段分明るくする=2倍光を取り込む、1段分暗くする=光の量を半分にする、そういう意味だったのです。

露出補正も同様の考え

写真を撮る時にプラス補正で、マイナス補正でなどと聞くこともあると思います。
単位はEVだと思いますが、当然マイナス補正で撮影すると暗く、プラス補正で撮影すると明るくなると思います。
ここでの-1EVや+2/3EVというのは-1段や+2/3段と同じ意味なのです。
補正というので撮った後に画像処理を加えてる印象を持つ人もいると思います(実際に身近な友人がそう思っており、私より先にカメラを始めてた人だったので意味を伝えるのが大変でした笑)
写真の明るさを決める要素は絞り値・シャッタースピード・ISO感度の3要素しかありません。
RAW現像での明るさ調整などは別として、素の状態ではそれぞれの総和で明るさが決まっています。

「段」の応用で表現を変える

ここまでの話で想像できた人も多いと思います。
例えば絞り値F5.6 シャッタースピード1/250 ISO感度400で撮影しており、もっと背景をボカしたいと思ったとき、F2.8に設定したとします。
すると当然そのままでは2段分明るくなってしまいますが、ISO感度を100にすると2段分暗くなるので、明るさ自体は変えずにボケを活かした写真を撮ることができるようになるのです。IMG_0207
焦点距離:25㎜ 絞り値:F2.8 シャッタースピード:1/8000 ISO:500IMG_0369
焦点距離:50㎜ 絞り値:F13 シャッタースピード:0.8秒 ISO:100

撮影日時も場所も天気も違うので参考にならないかもしれませんが、上は1/8000で滝を止めるために絞り解放でISOも昼間なのに上げてます。

一方絹糸みたいな滝はシャッタースピードを落として撮影してます。

止める写真からの比較でシャッタースピードは12と2/3段分シャッタースピードを明るく、代わりにISO感度を2と1/3段分暗く、絞り値も5と1/3段分くらい=8段分暗くしているので、きっと天気や日陰だったことで4段分暗くなって帳尻があったのでしょう!笑

同じ場所で撮影していればほぼイコールの結果となっていたと思います。

じゃあ「〇段分の手振れ補正」って?

よくレンズの手振れ補正の性能で記載されてますよね。
「段」が明るさなのに手振れ?と思うかもしれませんが、これはシャッタースピードを示しています。
手振れが起こる要因はスローシャッターなどでシャッターが開いてる間に動いてしまうことが要因です。
そしてそのブレが目立たない目安として1/焦点距離と言われてます。(APS-C機は表示より焦点距離が延びるのでキャノンの場合1.6倍、その他メーカーは1.5倍焦点距離に掛けてください)
100mmのレンズの場合1/100以下のシャッタースピードだと手振れの危険が出てくるのですが、「4段分の手振れ補正」と記載があれば1/6でも同等の絵が撮れるという意味です。
ただしこの場合は手振れは押さえれるかもしれませんが被写体が動いてる場合そこはブレるので被写体には動かないでとお願いするしかありません笑

まとめ

「段」を覚えることで様々な表現ができるようになりそうじゃないですか??
ボケのある写真も良し(Avモードなら絞り以外は自動でカメラが計算してくれるので楽です)流したり止めたりで動きを表現するも良し(Tvモードでシャッタースピード以外自動化できます)撮影の幅が広がると思います。
慣れるまで計算が面倒かもしれませんが、慣れると1段分明るくしたから1段分暗くしようと体が反応するようになるかも?笑

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